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2015/09/21

転載:ミドルズ時代『別冊宝島』の緊急出版本『集団的自衛権が発動される時』に掲載された記事

『戦争法案に反対するミドルズ』(MIDDLEs)のスタッフだった頃、立ち上げて1か月ほど経った時に突然、『別冊宝島』のライターから取材の申し込みがあった。ムック本が緊急出版されるという話で、そのためにSEALDsと一緒にMIDDLEsも扱いたいのだという。ところが、書籍の主旨を聞いて驚く。なんと保守・リベラル、賛成派・反対派の論客を集めて「集団的自衛権」について論じる内容だという。それなら私も論客の一人に加えてほしかったが(笑)、残念ながらSEALDsに続いて活動を始めたMIDDLEsとしての取材だというので、快く応じた。1か月後、こんな立派な本↓ができあがっていた。
























しかも目次を見てさらにたまげた。そうそうたる論客(青山繁晴を除いて)で、安保法制の2法案全文も巻末付録として記載されている。資料としても一級の出来。ご覧の通りの重厚な内容だ。↓

そんな内容の中に、SEALDsの運動を扱った全体6ページのセクションがある。ひじょうに読み応えがあるので、SEALDsに関心のある方には是非読んでもらいたい。


以下、上記のハイライト部分を含めた全体の一部を、著者の許可をいただいて全文転記する。私にとっては、MIDDLEsの一員として突っ走った約2か月の一つの痕跡として残った。以下、青文字部分が私の発言と取材部分。それにしても、きれいな言葉にまとめてくれるものである。流石はプロ。

学生たちの生の声が一般の人たちの心を動かした

 SEALDsとはStudents Emergency Action for Liberal Democracy-sの略で、「自由と民主主義のための学生緊急行動」である。彼らのいちばん大きな特徴は、代表者がいないことであろう。SEALDsの顔として明治学院大学の奥田愛基さんが知られるが、彼は代表者ではないのである。
 FacebookTwitterなどのSNSを通して、自らの考え方を発信し、共感する人たちがフォローしたり、DMを送ったりすることで繋がっていった。情報共有はグループLINE。200人前後がいまSEALDsとして活動しているというが、メンバーの名簿などは存在しない。
 そんな彼らのデモでは、「守る」という言葉が多く語られている。冒頭のコールの他にも、“子どもを守れ”“未来を守れ”というのものもあるのだ。
 デモは破壊活動、というのがある種のイメージであった。それが、守るために集まり、声を上げている。15年安保闘争を主導する学生たちは、いまの平和を守りたい、という思いが強いのであろう。

以前の安保闘争では主語は「我々」だったが
現在は「私」となり、個人の意志を主張

 そして彼らの大きな特徴は、名前と所属大学、年齢を明らかにして、一人称で語ることでもある。以前の安保闘争では「我々」だった主語は、「私」となり、個人の意志を表明するのである。そして、スピーチの最後には「私はこの戦争法案に反対します」と、再度個人として語るのだ。

「個人情報を自ら明らかにすることは、現代社会では大きなリスクです。実際に、彼らの情報はネットを探れば驚くほど集められる。中には心ないものも多い」
 と言うのは、SEALDsに触発されることで生まれた、ミドルズの勝見貴弘(42歳)氏である。ミドルズとは、ミドル世代のことで、学生よりも社会経験があり、でも、社会的立場があって表立って行動するのが難しい世代の集まり、である。
「学生はまさに私たちの子どもの世代。彼らが立ち上がらなければならなかったのは、私たちがそんな社会を作ってしてまったからです」
 ミドルズもSNSを使って人を集めている。もちろん、名簿もない。
「子どもにたちに子どもを守れと先に言わせてしまった。未来を守れとも言わせてしまった。安保が必要かどうか、それよりも、まず明らかな憲法違反の法律を通すわけにはいかない。手続き論ですが、憲法を守れ、そこからはじめていきたい」
 一歩先んじてママの会も発足し、SEALDs自体も全国に拡大。高校生の団体も加わった。大きなムーブメントになりはじめているのは事実であろう。その証拠に、8月23日、SEALDsが中心になって呼びかけた、『戦争法案に反対する全国若者一斉行動』は、なんと全国で64か所で行われた。各地で学者や法曹関係者、政治家、そして若者たちがスピーチを行い、街をデモ行進したのである。会場のひとつ表参道では、6500人が集まったのだ。


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