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2013/10/18

(書き起こし)2012.3.3 「子どもたちが心配」と語る広瀬隆さん via Yonaoshi 3.11



2013年10月16日付のENENEWSの記事に,この1年以上前の動画が掲載された。というのも,当の動画をUPした『Yonaoshi 3.11~霧の向こう~』というプロジェクトが最近になって(といっても,2013年3月8日付けだが)ホームページにあった動画をUPしたからだ。広瀬隆さんの動画はネット上に溢れているが,こうした正式に取材に応えるものは少ないと思い,プロジェクトに許可を貰って字幕を書き出した。

2012年3月3日に行われたこの取材で語られた言葉,その時の現状,いまもほとんど変わっていない。この時に語られた約5分間の広瀬さんの短い言葉を活字として残すために,以下書き起こしを転載することにした。「このままでは子どもたちに大変なことが起こる」――そう1年以上前に言った広瀬さんの言葉は,徐々に現実味を帯びてきている。





『“正しい恐怖心”を忘れてしまう人の心』



事故があって
しばらくは ですね

やっぱり皆 ショックを受けて

それで どんどん皆 恐怖心

正しい意味での恐怖心を
皆 持つようになったのでね

そのこと自体はひじょうに
いいことなんです


“もうこれは信用できない”
ということは わかって


だけれど 人間というのは
毎日毎日 色んなニュースに
晒されているから

一番大変な出来事を
どんどん忘れていくでしょ?


今 そういう状態にはあるんですよ



『報道しないマスメディアが一番悪い』


今も 福島の原子炉の下へ
どんどん どんどん 漏れている訳ですよ


それは地下水に入っている
それから海に入っている
それから空に

どんどん出ている訳ですよ

そういうことみんな
ニュースにならないから
皆 
忘れていく訳ですよ


ニュースで毎日流せば
毎日わかりますよ


日本人そんなに
気が付かないって筈ないけれど



ニュースにならないでしょ?
他のことばっかりやってるから



だから一番悪いのは 私は
マスメディアだと思います


こういう状態をね 作り出してきてるのは
基本的には 事故前とおんなじですよね

マスメディアがこういう問題を
真剣に取り上げないで

事故が起こり起こってもなおかつ
どんどん どんどん


まあ 最初だけは
報道したけれど



ほとんど今 断片的にしか
報道しないですからね


『ガイガーカウンターで汚染は量れない』


汚染の問題はね
contaminationの問題は

要するに“測定”するしかないんですよ
ものを 土を soilですよね

皆 こうやってカウンターを
沢山の人が持つようになったんですね
ガイガーカウンターを

だけど それは“空間線量”であって
外をこう飛んでいるものしか
量らない訳です

γガンマ線しか量らない



『放射性物質は全てガス化していた』


実際にはですね

原子炉の中は 色々なものが
どこまで飛んで行ったかっていうのが

日本で報道されているもので
調べていくと 
原子炉の中はもう
5000度近くなってたんです

5000℃ですよ

だからね とてつもない
高温度になっていたので
ウランもプルトニウムも もう
大量に “ガス化”してたんです


ガスで出たんですよ

で そういうことが 私の計算で
想像できますので

で そういうのは カウンターに
全部出ないんです

αアルファ線とか
βベータ線とか
そういうものは



『誰も量っていない恐ろしいストロンチウム』


だから ストロンチウムも
誰も量っていないんです

だから 
ストロンチウムが
一番怖いんですよね

ていうのは 骨に入るから

それで 白血病ね
leukemiaを起こすから

だから 固定されるものをね

子どもたちが 今 どんどん
こう体 大きくなる子どもたちが

どんどん取り込んでますよ



『避難するために,東電に賠償責任を』


福島のような汚染地帯の人は
もう 
子どもがいる人はもう
すぐに 逃げるように

evacuationをやるように
説得してるところです

けれど 
お金が無いと
逃げられませんよね 人間は


だから 福島の人たちで
逃げたいって思ってる人たちでも

経済的な問題があるので
なかなか逃げられない訳です

それで 
だからそれには もう一つ我々が
やらなければいけないことがあって


それは この事故を起こした
東京電力という会社に きちっと
賠償させることが必要なんですよ
要するに 金を出させるのね

もう 全て出させて
経済的に逃げられる人は
全部逃がす というね ことをやんなきゃいけない



『集団疎開をさせない国は“人殺し国家』


それから まず国は 
子どもたちを
福島県内から全部 集団でね

逃がさなきゃいけないですよ

そんな 個人的にそれぞれが
逃げるんじゃなくて

子どもたちは こう
学校で一緒に生活してた
友だちと
一緒にいたい訳ですから
こう集団でね 逃げるような
そういうことをやるべきで

で そういうことは “出来る”んですよ

日本が戦争に負ける前も
おんなじようにやったの

集団疎開といって
子どもたちを危ない所からね
皆 
山やなんかに 逃がしてたりしてたんです

日本が負ける前ね
で そういうことは
今 やるべきなんです


それを何もやっていないんです 
国はね

だから私は “人殺し国家”って
呼んでいるんです この国はね



『このままでは,子どもたちに大変なことが起こる』


子どもたちに大変なこと
このままいくと 起こると思います

心配です

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